使い手によって変わる暮らしのカタチ。
一つの用途から生まれる
いくつものアイデアに実用性を兼ね備える。
あなたの食卓に雅峰窯の彩。
丹波に生まれた職人としての役割と
雅峰窯として守るべきスタイル
古来の陶磁器窯のうち、
中世から現在まで生産が続く
代表的な六つの窯「日本六古窯」のひとつである
丹波立杭焼の窯元「雅峰窯」。
明治三〇年から一三〇年続く歴史ある窯元です。
明治30年から130年続く歴史ある窯元です。
「しのぎ」や「青」を取り入れたうつわを中心とし、
うつわを手にとっていただくお客様を
大切にするという先代の教えを守り続け、
日々うつわ作りをされています。
均一に揃った繊細なしのぎや、鮮やかな色の
うつわたちから、
巧みな技術と豊かな感性が感じられます。
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01 “伝える”を大切に
当時、暗いイメージのあった丹波立杭焼に初めて"青"を取り入れた
雅峰窯の四代目となる職人"市野秀之さん"
この仕事の一番好きな所は
「お客様と接しながら、自分が土のブレンドから始めて、
手渡しするまでの仕事を一人でできるところ」だと秀之さんは言います。
"職人"といえば、作業場で黙々と作られているというイメージですが、
どれだけ忙しい中でも、来ていただいた
お客様との会話を大切にする秀之さん。
雅峰窯としてどのような背景で、どのような想いで
うつわ作りをしているのかをより多くの方に伝えます。
他ではなかなか経験することのできない
仕事の魅力や、丹波の職人、生まれ育った者として、
丹波の歴史や背景も含めて"伝える"を大切にしながらうつわ作りをされています。 -
02 夢を持てる職業に。
丹波の職人と父としての姿夢を持てる職業とは、ただ良いものを作るだけでなく、
生活が成り立つ職業でなければならないと語る秀之さん。
雅峰窯が作る作品には、いつも伝統的で匠な技の中に家族の面影を感じられます。
家族の会話から新たな技術やアイデア、作風が広がっていくとのこと。
「ただ売れるものだけを作るというのは職人としてあるべき姿ではない。
良いものだけを作り満足していてもいけない、
収入もなければならない。
そのために何をしなければいけないかを基準に考えることが重要である。
それが家族でできたらと。」
雅峰窯として家族で力を合わせ、焼き物一本で生活が成り立ったという
生き方をしたいとお話する秀之さんからは、丹波立杭の地で育った"職人"であり、
家族を支える“父”である姿が見えました。 -
03 伝統とモダンから
生まれる"青"丹波焼きは元々「茶褐色」という印象が強く、
食卓にあってもなんとなく暗いイメージがあったという秀之さん。
そんな中で、「ライフスタイルの中でもっと楽しい食事をしていたただきたい」と
思ったのがきっかけで青色のうつわを作り始められたそう。
現在の"トルコブルー"と言われる青色を表現するためには、
ひと工夫必要だったと言います。
丹波焼の茶褐色の土に、そのままトルコブルーの釉薬を
かけると黒っぽくなってしまうため、
白い泥を塗り二層にコーティングすることによって、
ガラス状の透き通ったトルコブルーの色を
表現することができたそうです。
さらに息子さんたちと器づくりをされるようになり、
より一層アレンジの幅が広がり、トルコブルーや
ピンク・グリーンなどのモダンなカラーが誕生しました。 -
04 繊細なしのぎ、
際立つ稜線を求めて雅峰窯のうつわの特徴である"しのぎ"
雅峰窯のしのぎのうつわは、
稜線(彫り込んだ部分の高くなる部分)を際立たせることを意識し、
カンナでまっすぐに彫り込むことで"繊細さ"や"シャープさ"を出すことに
こだわられています。
また、そのようなしのぎを毎日何千本もこなすために
欠かせないのがカンナと呼ばれる道具や土のブレンド。
しのぎの際に使われるカンナは、樽の周りに巻き付けられている“帯鉄”を使い、
一本一本丁寧に手作りで作られています。その手作りのカンナを
使って土を彫り込んでいくには、通常ねばりのある土の方が綺麗だそうですが、
ねばりが多すぎると彫り込んだ後の土がカンナから離れづらくなり、数がこなせません。
彫り込んだ時に自然とカンナから土が離れるように、
作品によって土の配合を変えるといった工夫がなされています。
職人の技術と感性が合わさって"雅峰窯のしのぎのうつわ"ができています。
雅峰窯の作品をこだわりのギャラリーに展示しています。
気軽に寄っていただけるようにと作られたギャラリー。
古民家や昔の建物が立ち並ぶ丹波でひときわ目立つ、
ガルバリウム鋼板の黒色を基調としたモダンなギャラリーは、
秀之さんの感性で、すべて秀之さんの友人に作っていただいたとのこと。
うつわと調和し、うつわをより良く魅せてくれる
モダンな空間と伝統を守り続ける作品やおもてなしのこころが光る
素敵なギャラリーに是非、足を運んでみてください。