コスモス食品には、フリーズドライ製法のお味噌汁やスープの商品ブランドがさまざまあります。その中でも昨年(2023年)、開発グループに所属する3名の強い想いから立ち上がった新ブランドが『O-en(オーエン)』です。今回は、これまで自分たちの手で幾多の商品を生み出してきたプロたちが、このブランドを立ち上げた背景、そして今後のビジョンについてO-enに所属するメンバーに話を聞いてきました。
開発グループ「O-en」メンバー

“きれいでいきいき”
それぞれの経験や想いから生まれた新ブランド
――「O-en」を立ち上げたきっかけから教えてください。
外山「2022年に病気で入院したことをきっかけに食べ物に対しての味覚が変わり、人工的な食べ物を身体が受けつけないという経験をしました。これまでは比較的何でも食べられたのですが、その時は病院で出てくるような栄養ジュースも身体が受けつけず、果物やヨーグルトといった何も手を加えられていないものしか食べられませんでしたし、こういった経験そのものが初めてで……。
実際に自分が体験することで、『きっと世の中には同じように、食べるものがなくて困っている方がたくさんいるのではないか』と深く考えるようになりました。最近では、“食”に対する市場は拡大してきましたが、自分はせっかく食品メーカーに勤めているのであれば、『誰でも食べられる商品が作りたい』と気持ちが強く芽生えて、新ブランドの立ち上げを提案しました」
野澤「私も歳を重ねるにつれ、美味しいものは食べたいけれど健康には気を付けたい。さらにはあまり添加物が入っていないものが食べたいと思っていたので、だったら本当に食べたいものを自分たちで作れたら良いのではと思って、一緒に商品作りを行うことにしました」
長澤「今まで私はOEM(他社の製品を製造すること)の開発を中心に担当してきて、もちろん楽しくやりがいもありましたが、これからはO-enでの活動を通じて自分たちが作りたいものを商品にできる。そういった新しい環境に、ワクワクしながら毎日働かせていただいています」
――皆さんの商品作りに対するアグレッシブさが素敵です。
外山「介護や病気の話がきっかけだったのですが、60歳を迎えたことを機に『こんなことがしたい』という想いもありました。O-enは2023年の春頃より、通常の開発グループと兼務しながら週1日程度の活動を始め、同年の秋頃には体制も整い本格的に始動しています。これからは開発テンポを上げながら、美と健康、アンチエイジングなどを幅広い年齢層の方にも興味を持ってもらえるような商品作りをしていきたいと思います」
長澤「何も意識せず集まったメンバーですが、気づいたらOver60の集いみたいになっていますけど(笑)。もともと美容や健康の分野にも興味があったので知識を深めつつ、たくさんの方に手に取っていただける商品を作っていけたら良いですね」
――ちなみに「O-en」という名前の由来は?
外山「読み方は“オーエン”になるのですが、『みんなを応援』『大きな円』をイメージして手を取り合って一緒にやっていこうという想いが込められています」
野澤「それに加えて『ご縁』が繋がるようにという想いもありますね!」
地元三田で育ったお米のおじや
身体を想う2種類のおじやが登場
――初めて発売された商品は「おじや」でした。こちらのおじやはコスモス食品のオンラインショップ限定販売で発売後、すぐに売り切れてしまうほど、お客様から好評でしたね!
外山「実はおじやの他にもいくつか試作は繰り返していたのですが、今までのノウハウをいかして商品化しやすかったのがおじやでした。4月以降は本生産も始まりますのでイベント出店等、オンラインショップ以外での販売も計画しています」
三田で育ったお米のおじや~生姜と松の実~
一口食べると口いっぱいに広がるのは生姜の風味と出汁の旨味。生姜汁に高知県産の千切り生姜をたっぷりと加え、合わせる具材はからだを想って厳選しました。古くから漢方薬としても使われる生姜に、仙人の食べ物と言われる松の実、もち麦に小松菜。それらの味の決め手となる“出汁”にもこだわり、旨味の下地は作りながらも主張はせず、それぞれをおいしくまとめています。
https://www.cosmosfoods.jp/category/CAT1019/44222230.html
三田で育ったお米のおじや~柚子と湯葉~
お湯を注いだ瞬間に広がるのは爽やかな柚子の香り。国産大豆で作られた湯葉、国産の三つ葉、 ベースの十五穀も合わさり、豊かな風味と食感に、最後のひとくちまでおいしくお召し上がりいただけます。味の決め手となる”出汁”は柚子や湯葉の味わいと協調するように、鰹と北海道産利尻昆布にホタテの出汁を隠し味として合わせ、上品に仕上げました。
https://www.cosmosfoods.jp/category/CAT1019/44222330.html
“捨てない努力”
余剰原料の有効活用
――商品開発以外にも『捨てない努力』として始めた活動があるとか。
長澤「コスモス食品従業員の皆さんに喜んでもらう(応援する)ために『使い切り食堂』という取り組みを月に1度行っています!」
外山「試作時に余った原料や、工場で賞味期限が迫ってきているのにも関わらず使用予定のない原料等を利用して一品作り、休憩時間に従業員の皆さんに提供するという活動です。メニューはスイートポテトやプリン、ずんだ餅等、余剰の原料を使っているため毎回変動がありますが、食品ロスを少しでも出さないために有効活用させていただいています」
野澤「1度に120~130人くらいの方々に振る舞っていますので、品数が増えると大変なのですが、従業員の方々もとても喜んでくれていますね。楽しみにしてくださる方々がいらっしゃるので、私たちもとても励みになっています」
――お話を聞いているだけでも、皆さんが楽しく仕事をしているのが垣間見えました。
野澤「楽しいと言っても良いのかと思うくらい仕事が楽しいです!その環境に感謝しながら、新しい商品作りをどんどん行っていきたいですね」
外山「O-enとしての枠に留まらず、コスモス食品が本社を構えている兵庫県三田(さんだ)市の地域の方々との繋がりを大切にしながら、農家さんの余剰野菜等を使った商品開発等も行っていきたいです。置いておくだけだと腐ってしまう野菜等も、フリーズドライ製法を活用すれば長持ちさせることができますから。地域にも恩返しができるように貢献していきたいですね」
――次の商品開発にも期待が高まります!
外山「3人で色々とやらせていただいている環境にも感謝しながら、自分たちが今まで培ってきた開発力で『こんなの欲しかった』、『こんなのがあったら良いな』を商品化できるように取り組み、会社の期待にも応えていきたいと思っています。
次の展開としては、スイーツ系を考案中です。原料にも一つひとつこだわりながら、自分たちが納得できるまで試作を重ねています。今春には新商品をいくつか発売予定なので、ぜひ楽しみにしていてください」
長澤「私たちの取り組みを応援してくれている会社にも感謝しながら、この気持ちを忘れずにこれからも勤めていきたいですね。O-enで一緒に商品開発がしたいという方もお待ちしていますよ!(笑)」